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2019年2月21日 (木)

猫が幸せならばそれでいい 猫好き獣医さんが猫目線で考えた「愛猫バイブル」

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書籍の紹介です。
動物行動学を専門とする獣医師「入交眞巳」先生の著書です。本のタイトルは、このブログのタイトルの通り。長い。

入交先生のお話は何度か拝聴させていただいたことがありますが、私にはレベルが高い感じ。
猫や犬の行動を学問的にどのように理解すれば、生活に活かせるか、問題解決できるか、生活の質を改善できるか、などの話でした。
テーマも、結論である「こうするのがいいですよ」も、難しいことはないし説明も分かり易いのですが、その間にある理論が私には「レベルが高い」と感じてしまいました。

20190221aさて本題。こちらの書籍の話。

冒頭の章、「猫は夜行性」は勘違い、で以下の文があります。
=====
ノクターナル(夜行性)かダイアーナル(昼行性)かといえば、猫はこのどちらでもありません。猫は、クリパスキュラー(薄明薄暮性)、つまり早朝や夕暮れの薄暗い時間帯に最も活発に動く動物です。
=====

これを読んだ時に「こんな横文字言葉は知らなくていいよ」と感じ、「やはり小難しい理論の羅列や横文字がいっぱいなのかな」とおもったのですが、その先はこのようなことはほとんどなく、多くの部分は、ご自分が共に暮らしてきた猫とのことを例にしたり、身近なものを感じました。

20190221b読んでみて、皆さんにお勧めしたいとおもったので、ここに書いているのですが、冒頭に書いたように、この書籍を手にするまでは、あまり期待をしていませんでした。

しかし、日本人のある程度の数の人が、猫や犬に対して古い固定観念をもっていて、その中には間違えや今の世の中では理解されないことが多々あることを、私は危惧しているので、それを改めていただくには、入交先生のような方に活躍していただきたいと、陰ながら願っています。それで読んでみたのです。

実はそれもあるのですが、本音を書いてしまうと、(本書では「漫画」となっていますが)挿絵に惹かれて買いました。
描いているのは、「俺、つしま」で有名な、おぷうのきょうだい先生です。

「俺、つしま」は、Twitter で始まりました。はじめの頃は、気ままに書いている感じのもので、形式も決まっていませんでした。今もそんな感じです。
この漫画は、「つしま」と呼ばれるようになった猫を中心に起こったことを模写している漫画なので、伝えるために最適な形式をとっているようです。形式にとらわれず、最適な「絵で伝える」方法が私には気持ちよく入ってきます。

つまり散文なのです。内容も。
Twitter で読んでいると、「唐突に何これ?」と思う作品が載ったことがありました。それらの幾つかが繋がるだろうことは読み続けていると分かったのですが、一つの物語としてまとめることはありませんでした。しかしそれが随分と後になって、ビックコミックBUROS.NETに物語として載りました。

「俺、つしま」の書籍は既に第一巻は発売されています。それには散文のまま(途切れ途切れの話のまま)幾つかが載っています。
ビックコミックBUROS.NETにアップされたものは、ある程度の期間が過ぎると消えてしまいます。現在その物語全体を読むには過去のTwitterから探し出すしかありません。

 

何故、入交先生の書籍の紹介で、こんなことを書くかというと、この本の175ページ全体に、一人の男性高齢者と一匹の猫の絵がありますが、この男性が前述の物語に登場するのです。

ぱっと見ると「なんで猫の本に、男性高齢者を大きく、猫を小さく描いた絵に一ページ使っちゃうの?」とおもう人もいることでしょう。
この絵を見ていると、猫と男性の存在感の大きさが同じように感じてきます。猫も高齢であり、この二人には特別な繋がりがあるようにも見えてきます。

前述の物語にはタイトルらしきものとして「onece upon a time in somewhere(いつか 知らないところで)」と表示されていましたが、私は「さんぶんこ」物語と呼んでいます。それが今年五月に発売される第二巻に載るのか、それが気になって仕方がありません。

その「さんぶんこ」物語に出てくる魚屋さんが、175ページの男性にとても似ているのです。
店の魚を泥棒猫して追われたりもするのですが、ヤマ場の一つである夜明け前に、主人公のつしまがTNRのトラップにかかった「テルオ」のために闘う決意をしたときにも、彼の頭の中に出てきたりもします。

もし、この「onece upon a time in somewhere(「さんぶんこ」物語)」が映画化されたら絶対に観に行きます。しかし、映画化は出来ないでしょう。
猫の自然な動きや逆に擬人化された動きを実写で撮ることはできないだろうし、アニメ化したら、この作者の画の魅力を半減してしまうだろうから。
ストーリーを思い出すと涙が込み上げてきますが、それはあの絵があるからです。擬人化しても猫であると見えるところに凄みさえ感じる画力です。

 
そんな猫を猫らしく描く漫画家を選んだ入交先生なので買いました。読んでみて、「うんうん、この選択はとっても正しい」と再確認。猫の生活を説明する挿絵にはベストチョイスだとおもいます。やはり入交先生は凄い先生だ!

本書の中の絵は、猫の習性を説明する補足として使われていることがほとんどですが、何ページか魚屋さん似の高齢者が描かれたページのようにイメージを伝えるページがあります。
猫が擬人化され、鮨屋のウィンドウをながめていたり、他の人(猫)が使用中の個室(トイレ)のドアを開けてしまい驚いたり、母親(猫)連にれられて町中を歩いていたり、みんなで読書していたり、服を着てお洒落をしていたり。
魚屋さん似の男性が描かれているページは、認知症について語られている章であり、絵が人間の高齢者と猫の高齢者であることから使われたのだとおもいます。

 
挿絵の素晴らしさもありますが、猫について現在分かっていることを科学の裏付けをもって説明してくれている本書は、現在(いま)猫を飼っている人なら一読しておいた方がいいとおもいます。
猫のことに限らず、「過去の常識が現在(いま)の非常識」であることもあります。共に暮らしている猫を、そしてご自分を守るためにもお薦めの一冊です。

猫が幸せならばそれでいい: 猫好き獣医さんが猫目線で考えた「愛猫バイブル」

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