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2018年12月24日 (月)

(読書感想文)ドン・キホーテ (中)


(読書感想文)ドン・キホーテ (中)

ドン・キホーテを読んでみた。全然違った(苦)


まず感じたこと。

大きなテーマもありますが、しっかり小分けになっていて、まるで子供の頃に観たアニメ番組ようだった。各回パターンは決まっている。どうなるかある程度先が読める。そんなところも似ていた。その意味では面白い。

当時の人たちも大いに楽しんだようだ。
Wikipedia のドン・キホーテのページでも、当時の人気について書かれている。

大きなテーマは、宗教と騎士道物語。当時のスペイン(ヨーロッパのキリスト教圏?)で尊重されていたものらしい。それらに対して風刺的な内容を書くことで、大衆に考え直してほしいという感じだろうか。

決して浮き足立った内容ではない。騎士道物語という魔法まで出てくるバーチャルなものに影響されている世の中に対しての問いかけなのだろう。
そのような内容でありながら、娯楽物として多くの人に読んでもらえることが出来る内容に仕上がっている。



以下、私の感想

思慮分別なくその場の思いつきや雰囲気だけで、風車を巨人の化身であると決めつけるとおもっていたがそうではない。彼なりの知識から導かれた確固たる答えなのだ。
現実から離れてしまう原因は、騎士道物語に出てくる魔法である。彼はそれを信じ込んでいる。(信じ込んでいる振りをしているのか?、とおもうこともあった。)

私は、騎士道物語を読んだことありませんが、ドン・キホーテを読む限り、日本で云うなら武者たちの武勇伝なのだろう。
日本でも昔は妖術などが出てくる話があり庶民が楽しんだようですが、騎士道物語では「魔法」がストーリーの中で大きな役割を担っているようです。

騎士道の根底にはキリスト教の精神が流れている。日本の武士道の根底に日本古来の宗教観などが流れているのと同じなのでしょう。命のやり取りをするのであればそうなることとおもいます。
今のヨーロッパの人たちにとっても、キリスト教というものが人々の心の拠り所になっていることは話に聞きますが、当時は今まで以上にその影響は大きかったようです。

そのような世の中で、騎士道物語を読みふけり「自分は世の為人の為に遍歴の騎士になるべきだ」と思い込み実行する。その道中は(魔法が出てくる)騎士道物語の常識により判断し、問題を解決をしようとする。

現実は魔法もなければ、問題さえないことが多い。しかし、騎士道物語の常識で考えれば、彼が出す答えは間違えではないのだろう。

馬鹿げているとおもうのは簡単。
今の世の中でも、何らかの教えによってゴタゴタを起こす人はいる。そのようなことを語りたいのだろうなと感じた。



私が抱いていたイメージとの違いを書いておく。

とにかく手柄を立てたくて、思慮分別なくその場の思いつきや雰囲気だけで、風車を巨人の化身であると決めつける話だと想像していた。お気軽なドタバタ小説だとおもっていた。つまり子供向けの単純な話だとおもっていた。
そのイメージとの違いを書いておく。

彼には「こいつと戦わねばならぬ」と決め付けるだけの、膨大な数の騎士道物語という根拠があった。
読み始めた頃は「それにしてもただのいかれたオヤジだ。人間としてもダメ。周りの人にどんだけ迷惑かければ気が済むの?」と感じたのですが、読み進めてゆくと「人間としては、いい人かも」とおもうようになる。騎士道物語に出会わなければ、いい人として一生過ごしただろうなとおもう場面が幾つかでてくる。それをおもわせるストーリーもある。

20181224a従者であるサンチョ・パンサは、無学であり欲深い人間のようにも読めるが、こちらも読み進めると、多くの諺を知っているし、思慮深く、生きるために必要なもののみを欲しっているだけであることに気づく。それに対し、学があり、生きるためには必要不可欠ではないもの(つまり必要以上のもの)までも欲するドン・キホーテ。この二人が対照的に描かれていた。

騎士道物語や騎士道、キリスト教の昔からの慣わしなどに疑問を抱くべきという想いが著者にはあり、その裏返しをドン・キホーテに投影した。
生きるためには、世間で云われているほど格好良くなくてもいいし、実際そんなことを言っていられない。そのようなことを伝えたかったのだろう。

読み始めるにあたり、少し調べた。
著者は(苦労の連続という意味で)波乱の人生であったことを知る。何度か投獄もされているが、真面目に仕事をしていただけではなかったのだろうか、生きることに真剣だった結果、投獄されたのかも、とおもう。

20数年前「自分はドン・キホーテに似ているのでは?」は明らかな間違えで、著者であるセルバンテスに似ているのかもしれない。
しかし、自分と比べるのはおこがましいの一言である。

このバージョンは、子供も楽しめるものだし、大人が真剣に読むには単純すぎる。
いつか完全バージョン(全6冊らしい)を読んでみたいものだ。

 

読み進めている内にあることに気が付いた。
そのことを次回書きたいとおもう。

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