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2018年1月29日 (月)

映画 猫が教えてくれたこと

今日は月曜日ですが女房が休みで、一緒に映画館に行きました。観た映画はタイトルのもの。
以下、映画の中のセリフや内容を書きます。ネタバレというヤツが含まれます。それらには私の記憶違いや誤解も含まれるかもしれないことご了承ください。

猫の街として知られるイスタンブールにおける、猫と人の物語を集めて紡いだような映画。
東京の地域猫活動に日々ご苦労されている方々には「誤解を招く!」と叱られてしまいそうな映画でもある。外を自由に歩き、飼い主がいるのかいないのか分らない猫たちと、その猫たちを世話をする人たち、救われる人たちの話。

トルコのイスタンブール。私は歴史も地理も苦手で、この地がどんな場所なのか長い間知らなかった。
私が、猫の問題を見聞きするようになって間もなく、この街が「世界で最も猫に優しい街」と耳に入ってきた。実際に行った猫好き人から「理想的な街。何故、日本ではできないのか」と迫られたことがある。そこで、この街のことを少しだけ調べた。簡単に言えば、アジアとヨーロッパの境目。地理的にも文化的にも。
映画の中にも、それを感じる映像がある。また、トルコには大きな港があり世界の多くの国々の船が寄った。それらの船には猫が乗っていて、この地に残った猫も多いとか。(出航だから船に戻っておいで、と伝えても戻って来ない猫はいるでしょうから。)

基本的に、猫好きの人の話を集めた話ですが、猫嫌いな人についての話も出てくる。やはり糞尿が問題になるらしい。今までのイスタンブールは土の場所があった。ここのところ(登場人物が生きている間のそう遠くない過去に)大規模な開発が始まっているという。話を聞いている市場のような場所も再開発が決まっていて(自分たちのことよりも)猫のことが心配だと言う。

何年も前になるが「何故、日本ではできないのか」と言われた私としては、日本以上の猫天国かと思って、この映画を観ていましたが、日本の何処かの街では在り得る光景ばかり。少なくとも私は見たことがある。(その場所が今もそのまま猫が暮らしているかはしらないが。)
映画なので、テーマにあった風景や人を探したのだろう。それを考えると、土の多い場所であれば、日本でも似たような場所を見たことはある。

以上、前置き。
タイトルは「猫が教えてくれたこと」。

比較的始めの方に「動物を愛せない人は、人間も愛せない」と語る人がいる。私もそう考える。だから動物愛護は社会として看過できない事柄なのだと考えている。

最後の方に餌やりおじさんが出てくる。自分の活動について語る。その間、何箇所かの猫たちに食べ物を与えた映像が流れる。さらにその後(まだまだ餌やり映像が続く)、猫に救われた話になる。
病気になり人と話も出来くなり、病院に行っても治ることなかった。そんなときに、猫と付き合うようになり、餌やりを少しずつ始めた。そして改善してゆき、人と会話できるようになり、人を愛することもできるようなった、と。

別の男性も猫で救われたという。
捨てられた乳飲みの猫の世話をしている映像から始まる。まとめて捨てられていたそうだ。そして猫との関わりの話になる。
自分の財産のほとんどを処分し、やっと手に入れた船を悪天候で失ってしまう。手に入れてから一週間で。もちろん生活に困る。途方にくれて海岸を歩いていると、病気か怪我でもしているように大きな声で鳴いている猫を見る。しかし相手をする余裕はない。一度は無視するが、いつまでも耳に入ってくる声。猫の近くに寄るとそこには財布が落ちていた。そのときどうしても必要だった金額、ちょうどその金額だけその財布には入っていた。(ネコババしたのか?、と思ったが、金額のことやその他詳細は語られない。)

その後、別の人の話になり、この人はもう終わりと思っていたら、最後の方に再登場。
「神は人に試練を与えるという。猫は神様の使いだとおもう。」と語る。その場面では現在の船の上。船は海の上を走っている。彼の腕の中には猫。船の中には、他にも猫がいる。犬も一頭。

イスタンブールは、宗教も境目的な位置にあると聞いたことがある。
映画中、ある男性が「昔、兄と猫のお葬式をやった。ある映画の十字架が格好良くて墓石の代わりに、枝で作った十字架を置いた。自分たちとしては全く宗教的な意味はなかったが、それを見た父が焦って私を宗教学校に入れた」と。

街中の飲食店やお菓子屋さん、魚屋さんなどで食べ物をもらっている猫たちもいた。
東京の街中だったら「不衛生だ!」とお店や保健所に苦情を言う人がいるだろう。この映画の中では、そのようにしてきている店が幾つも出てくる。それらのお店は賑わっている。

観ていて思ったというか感じたことは、やはり「宗教」の存在。

私の個人的な知識として「国は国民の身体・生命・財産を守らねばならない」というものがある。不衛生や泥棒猫は許してはならことなります。今、身体・生命・財産と書きましたが、ここには精神が含まれていません。それは身体に含まれるからだと考えています。宗教や宗教的といわれる事柄が、人の精神を救ってくれるのであれば、他の権利と秤にかける価値は充分にあるだろう。それは無宗教の国に産まれた無宗教の私だから「価値は充分にあるだろう」と感じるのであって、宗教が個々人に根付き、日々の生活を救ってくれている人が多い国の人にとっては「価値は当然ある」と感じているのかもしれない。
その意味では、日本人には難解というか、誤解する人もいるかも。

最後の方に、こんなことを言っていた人がいた。開発で街の姿が変わってゆくことを暗示される映像と共に。
街には猫の問題もあるが、人間の問題もある。街が変わってきているので仕方ない。それらは別々の問題ですが、きっと何処かで繋がっている。
冒頭の「動物を愛せない人は人間も愛せない」に通じるものを感じた。

この映画を観ている限り、猫から被害を受けている人がほとんどいないように感じてしまいましたが「本当のところどうなの?」と心配になった。「嫌いな人がいる」「野良猫はどんどん少なくなるだろう」「開発が進めば猫の居場所はなくなる」など、断片的な話が入ってくるので尚更だった。

映画としてはよく作られていた。映像や編集もいい。イメージも統一されている(地下の暗視カメラの映像は仕方ないとおもう。あれはあれで楽しかった。ただし、チーズらしきがぶら下がって見えたのは疑問を感じた)。

最後の最後になって話も大体まとまり、終わりを感じた頃「映像もよかったなぁ」と思っていたら、街を空から撮ったシーンになる(たぶんドローンで撮影)。大きな川(ボスポラス海峡?)には橋がありその前後に大きな船が行き交っている。道には車が動き続けている。ドローンのゆっくりとした動きと、それらののんびりと見える動きが印象的でもあり、誰にも止められない動きのようにも見えた。屋根の茶色と日の光の具合は夕方の始まりをイメージさせた。茶色の屋根がひしめく中、巨大で真新しいビルの存在感が大きい。

この映画は「イスタンブールが猫に優しい街」であることが過去になってしまこと、そして、猫だけでなく人も輝いて生きてゆける街が変わってしまうのではないかという憂慮が根底に流れている。それを裏付けるかのような映像は美しく、制作者としても価値あるものなのだろう。

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映画.com   http://eiga.com/movie/87608/
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映画の時間 https://movie.jorudan.co.jp/cinema/34040/
シネマティデイ https://www.cinematoday.jp/movie/T0022332

 

メインテーマとあまり関係のないこと。自分の周囲の外猫さんたちとの違い。
映画中、餌やりさんがあげている食べ物の内、カリカリ率はたぶん50%にも満たないような気がした。手作りが目についた。お店のものをあげたりしていた。
そしてお腹がぼよ~んとしている猫もいなかったような気がする。

 

最後に。映画とは全く関係のないこと。
文中、ネコババとタイプしたら「猫糞」と出てきて吃驚。本を読む習慣がない私は、このように書くとは知りませんでした。気になってパソコンの辞書(広辞苑)で調べたら「(猫が脱糞後、脚で土砂をかけて糞を隠すからいう) 悪行を隠して知らん顔をすること。落し物などを拾ってそのまま自分のものにしてしまうこと。」とのこと。
ネコババという言葉を知ってから50年くらい。子供の頃、身近かに猫がいない環境だったため、糞を隠すことを知らなかった。
見たことのないことは知らないし、想像もできない。
そんなことはともかく、猫糞(ねこばば)と言われるくらい、猫はしっかり糞を隠す習性があるということですね。

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